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我が道を行く東北人Tommyの日々の記録です。美味しいものをおいしく食べることが好きです。歌舞伎と落語が好きなチェロ弾きです。


by kazeyohuke-byun
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本番振り返り記。

さて、日曜の本番当日のお話を♪


朝はホテルにてバイキング朝食^^

ひじきの煮物、金平ごぼう、
海藻サラダてんこ盛り、
レタスサラダ、卵入りおじや、
お味噌汁、
をいただきました。
油っこいものなどを食べて、
本番中にピーになったら困るので、
お腹への影響が少ないであろうものをチョイスしました。

ちょうど同じ時間帯に食堂にいらした
バイオリンのお二人とごはんを食べたのですが、
女三人集まってもガールズトークになんてなりません(笑)
話題はやっぱり合わせの心配やら曲の話^^;
で、食べ終わって各自準備をしたら、
主催者の先生が用意してくださったタクシーに乗り込み、
いざ会場へ。
楽器、キャリーケース、かばんなどなど、
全員とにかく荷物が多いので、
端から見たら「民族大移動」だったかも…(笑)

会場へ着いてすぐゲネプロ開始。
昼本番なのでゲネプロ時間は非常に短く、
どんどん曲が進められていきました。
まさに「後戻りできない」状態!

そしてゲネプロもいよいよ終盤に。
アンコール曲である“Csardas”の楽譜をいただき、
一通り譜読みして、
「ピッチカート大変そうだーーー!」
なんて思いながら楽器を構えていると、
指揮者の先生とT満さんが、
「最初のソロ、チェロで弾いてね。」と。





…!?




あまりの衝撃に声が出ませんでした…
あと3分でゲネプロ終わるのに…!!!
なんてことは口が裂けても言えぬ…。
頭の中はパニック状態。
ヴィオラのYさん(プロのヴィオラ奏者)から、
どのポジションで弾くかのアドバイスをいただいたものの、
さらう間もなく、
どのタイミングで弾くかだけを確認したら、
はい、ゲネプロ終了…。

(T□T)…







ホールでの音出しはゲネプロと同時に終了だったので、
真っ青になりながら控え室へ向い、
お弁当をいただいたものの、
ゲネプロでの出来事が衝撃的すぎて、
食べ物がどこに入ったのか分からん状態。
その後急いで着替えて、
控え室のスミで練習開始。
他にも直前に練習しておこうと思った箇所はいくつかあったのですが、
もうそれどころじゃない…
最後の最後にヘマやらかすわけにはいかん…
と思って、延々とソロ部分のみ練習しました。
しかしどんどん時間は迫り、
チェロパート全員分のチューニングもしなければならなかったため、
練習は強制終了(苦笑)
あとは1幕目終わった後の休憩で何とかするっきゃない…
と思いながらステージ裏へ。

ちょっと気になってステージを覗いてみると、
思ったより客席近い!
しかも定員1000人のホールはほぼ満席!!

そういえば本番前にお手洗いへ行ってなかった…
なんて思っていたところで、開演のベルが鳴りました(笑)




最初に弾いた曲は先日こちらにアップした
ヘンデルの合奏協奏曲。
あちらこちらに各パートのトップによる
小さなソロが登場する曲です。

しかし!!!!
曲を弾き始めた途端、
私の楽器のエンドピン(チェロの本体下部に取り付けられている棒。床にぶっ刺します)が床から外れ、
楽器を両足だけで支える形に(@□@)
真っ青になりながら最初のSolo部分はプルプル状態で弾き、
Tutti(パート全員で弾く)部分へと入った瞬間、
とうとう足で支えられなくなり、
エンドピンが「ズゴーーー!!」と音をたてて床を滑りました…

心の中では「ひょえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
と叫びながらも、その焦りを顔に出さないようにし、
超特急で再びエンドピンを床にぶっ刺しました。
お隣の方が、演奏箇所を弓で指していて下さったおかげで、
即復帰できました。感謝です(TT)

いやあ…本当に…
びっくりしました…。
おそらく周りの皆さんをもびっくりさせてしまったはず…。
次の本番までに、
金ヤスリでしっかり削っておきます…。

楽章の合間に周りの方々が
エンドピンを差すのにより良い穴を見つけて下さったので、
ミリミリ言わせながらエンドピンを差し、
その後は演奏に集中することができました。
皆さんに感謝です!!



そして2曲目はこちら(1楽章のみアップします)。

ソリストはT満A子さんです。
1753年作のストラディバリウスのバイオリンと共に紡がれる
T満さんのバッハ。
リハの時にT満さんのバッハに対する考えを伺っていたこともあり、
今までバッハを弾いた時とは異なる気持ちで
演奏することができました。


1幕目の最後はこちら。

Barberの“Adagio for Strings”です。
以前も同じものをアップしましたが、
やはり尾高さん指揮のこの演奏が好きです。

しかし、大好きな曲なのに、
リハでのこの曲の合わせはなかなかうまくいかず、
T満さんのソロを聴いたり思い出したりしながら、
ヴィオラのエキストラさんお二人と、
前日リハの終了間際まで悩んでおりました。

本番、祈るような気持ちで演奏し、
とうとう最後の一音へ。
弦から弓が離れ、
音の余韻がホールに響き渡ったあの瞬間を、
今でも鮮明に覚えています。

心の奥深いところに届くあの旋律…
この曲を演奏することができたこと、
本当に嬉しく思います。




さて、その後は15分の休憩時間。
しかし休憩なんてしていられません(笑)
ここでも延々とチャールダッシュのソロ部分をさらい、
途中でコンマスのKさん(プロの演奏家)が
「ハイフェッツみたいなグリッサンド入れてみるとかね(笑)!!」
なんてことを言いながら、
バイオリンでその旋律を弾いてくださったのですが、
その色っぽさ、私にはまだ(!?)出せぬ…(涙)
それでも一生懸命さらったのですが、
まだ100発100中で弾ける状態ではなく…
そうこうしているうちに、
他のチェロをチューニングする時間に…。
あっという間に休憩時間が終わり、
深呼吸してから再びステージへ。

最初はT満さんのソロで「望郷のバラード」。
ちょうどご本人の演奏がYouTubeにありましたのでアップします。

T満さんの立ち位置に照明が絞られ、
幻想的な雰囲気の中で演奏されたこの曲。
すぐ後ろで聴きながら、
その音色が、その音楽が、
自分の心の奥深いところに、
ゆっくりとゆっくりと染み渡っていくような、
不思議な気持ちになりました。


その後、Massenetの“Meditation de Thais”や、
Faureの“Sicilienne”を演奏した後、
いよいよアンコール曲へ。

1曲目はこちら。こちらもご本人の演奏を見つけましたのでアップ。

Blochの“Prayer”(祈り)です。
これは前日突然渡された曲の一つで、
実は私、今までに聴いたことはもちろん、弾いたこともない曲でした。
それ故リハで初めて合わせた時、
悲しみ、安らぎなどの気持ちが歌われているその旋律に、
胸をぐっとおさえたくなるような、
何ともいえない気持ちになり、
強く魅かれました。

とはいえ、こちらの曲もバーバーと同様に合わせが難しく、
どの小節で誰のアインザッツを参考にするのか書き込んだり、
他のパートの音をガイドとして書き込んだりして、
リハで取り上げられる度に、脳みそフル回転させました。

ちなみに、演奏会後もこの曲が頭から離れず、
調べてみるとチェロで演奏されることが多いと判明。
この曲の販売しているお店が見つからなかったため、
大学図書館に問い合わせ、
今日早速楽譜を借りてきました^^







で、ブロッホの「祈り」が終わって、
たいした間もないうちに、
いよいよ最後のアンコール曲、
すなわち私が頭でソロを弾く曲へ(TT)

始まってしまったら、あとは野となれ山となれ!?
気がついたら曲が終わってました(笑)

ステージ裏へはけてすぐ、ヴィオラのYさんが、
「最後決まったね!」と言ってくださり、
そこでようやく、無事弾けたことを知りました^^;
その後何人もの方が「カデンツァ素敵だったよ!」と言ってくださり、
心の底からほっとしました。






控え室に戻って楽器を片付けていると、
母から電話が。
急いでロビーへ向かい、母の姿を見つけました。
「とっても、とっても良かったよ!!!
エンドピン吹っ飛んで、どうなることかと思ったけど、
最後のソロも素晴らしかったよ!」と母。
母の笑顔とその言葉が何より嬉しかったです!!!








その後は再び民族大移動で、
反省会が行われるパーティー会場へ。
前菜を食べ終わったあたりで、
T満A子や指揮者の先生、主催者の先生方がお話された後、
エキストラも全員一言。
T満さんは新幹線の時間があるため、
ちょっと早めにお帰りになるということで、
今回の仕事を紹介して下さった先輩に続いて、
サイン&ツーショットでの写真撮影をお願いしたところ、
「そんなのいくらでもしてあげるわよ〜〜!!」とT満さん^^
事務所の社長さんが「急いで!急いで!」と言っているそばで、
サインも写真も引き受けてくださいました♪
肖像権の問題等あると思われますので、
こちらには載せられませんが、
快諾してくださったT満さんに感謝です!!!







今回は高校や大学関係以外では初めての演奏会出演でした。
初めてのことだらけで緊張も多かったのですが、
主催者の先生方には、
リハや本番のみならず、宿泊やお食事においてもお心遣いをいただき、
また、指揮者の先生(御年85歳)からは、
ご指導いただいたのみならず、パワーもいただきました。
先生方やプロとしてご活躍されているエキストラの方々からは、
音楽や奏法にまつわる様々なお話、
音楽関連の仕事や会社比較の話、
東北における音楽環境や現状などを伺い、
本当に多くのことを勉強させていただきました。
また、つながりもできました。
バイオリンの方からは、トリオでのバロックの勉強のお誘いをいただきました。
ヴィオラの方は地元仙台の方で、
帰りの新幹線でご一緒させていただいたのですが、
マルティヌーの弦カルのお話がちょろっと…
しかし私、まだマルティヌーに挑戦できる技術や勉強が足りていないので、
いつかご一緒させていただけるように、一生懸命練習します!!
と宣言?して参りました。
今回のお仕事を紹介してくださったRさんへの感謝の気持ちでいっぱいです。
2日間、本当に貴重な経験をさせていただきました!




それからそれから!
主催者の先生から、次の演奏会にもお誘いいただいたので、
来年は年明け早々、再び福島にて弾いてきます^^
今から楽しみです♪

さ!もっともっと、
もっともっと頑張ろう!!
ではまた!!!!
Commented by hahamego at 2011-11-17 20:16
どうかエンドピン、さっさと削って下さいな〜(ーー)
めちゃくちゃ心臓破れそうになりましたー(@0@:)

でも、すごく良かったよ♡(^^)♡
Commented at 2011-11-17 22:30
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kazeyohuke-byun at 2011-11-17 22:52
母上
聴きに来てくれて本当にありがとう^^

エンドピンぶっ飛び事件は、
私も心臓破裂しそうでした(爆)^^;
しかし肝心の金ヤスリが…手元にない…
バイト先で探してみる予定でございあす。
Commented by kazeyohuke-byun at 2011-11-17 22:52
鍵コメ様
コメントありがとうございます!
のちほどブログに伺います♪♪♪
Commented by nadesikohime at 2011-11-17 23:05
トミーちゃんの演奏聴きたかったです~♪
人に感動を与えられる人って素晴らしいなって改めて思いましたよ!!
そのうち私なんか声もかけられないすごい演奏家になっても その時はT満さんみたいに気さくに対応してくださいね(笑)
トミーちゃん、これからも頑張ってね♪
Commented by kazeyohuke-byun at 2011-11-17 23:37
nadesikohimeさん
おばんです。コメントありがとうございます。
今回の演奏会では
本当に多くのことを学ばせていただきました。
素敵な音楽、素敵な方々に出会えた2日間、
決して忘れません。
どんな場所でも通用するような演奏家には程遠いのですが、
それでもやはり、演奏することが大好きです^^
これからも一生懸命頑張ります!!!!
Commented by hobo-ryu at 2011-11-18 22:16
tommyさん、おばんです☆

ご縁があって演奏会に参加されて、またたくさんの繋がりができて、本当に素晴らしい経験をされたのですね!
次の演奏会にもお声がかかったなんてすごいです!!

エンドピン(すいません、チェロを弾くときの仕組みを初めて知りました!)と、ソロのくだりには、読んでいてちょっとハラハラしてしまいました!
でも無事成功してよかったです!おめでとうございます!

私いいこと思いつきまして・・・☆
札幌に『Kitara(キタラ)』という、とても素敵なコンサートホールがあるんです。
福島のホールのように素敵なパイプオルガンがあるんですよ。

tommyさん、いつかここで演奏しに来てください!

私、その時は必ず絶対聴きにいきますから!


Commented by kazeyohuke-byun at 2011-11-19 01:24
hobo-ryuさん
おばんです^^
福島での2日間は、
本当に多くの方々に支えていただきながら、
多くのことを学んだ時間となりました。
エンドピン事件は本当に心臓破裂しそうでしたが(苦笑)

「キタラ」というホール、
hobo-ryuさんのコメントを読んで早速調べてみました!
素敵なホールですね!!!
実は10月に一緒に演奏したピアノ弾きさんと、
北海道旅行へ行って、
場所を見つけて演奏してこようか!!!
という話をしておりました。
まだしっかり煮詰めてはいないのですが、
必ずや実現させようと思っております!
その際はご案内させていただきたく思います^^
by kazeyohuke-byun | 2011-11-17 20:04 | ひとり言。 | Comments(8)